ファルモ。

ファルモ。

国道50号の高架橋を走っていると、視界の端に突然現れる建物があります。一度見たら忘れられない。何度も通っているうちに、いつしか目で探すようになる。そういう建物です。


打ち放しのコンクリートに、円筒形のパンチングメタルが寄り添っています。中は螺旋階段で、金属の膜越しに構造が透け、光と影が一日かけてゆっくり移動していきます。

円と弧を描く大きな窓。階ごとに角度を変えて張り出す出窓。小さな正方形、細長い開口部。ひとつとして同じ表情の面がありません。歩いて回ると、数歩ごとに違う建物に見えます。



設計事務所のHPには、ゲーテが最期に遺したとされる言葉「もっと光を」が掲げられています。光は時代を、人生を、生活を映し出し、演出するもの。その光をデザインする、と。

だからあれだけ多様な開口部があるのだと思います。あらゆる角度から、違う質の光を入れるために。


その2階にFALMOはあります。駅から離れていますが、完全に建物に惚れて直感で選びました。

FALMOが提供したいのは、一見普通に見える服が、細部を見ると明らかに違う。縫製、生地、ギミック、作り手のこだわり。静かな外見の中に深い層があって、それに触れたときに感情が動く。そんな体験です。

見れば見るほど発見がある。近づくほど違いがわかる。こういう建物で服を扱えることを、とても幸運に思っています。

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