SARTO : HOME SPUN TWEED MULTI HOME SPUN ZIP JACKET
前回のJOURNALでSARTOのことを、無骨なのに繊細。機能的なのに装飾的。相反するような要素が一着の中に自然と共存していて、初めて手にしたときから「これは只者じゃないな」と感じました。と記載しました。この言葉の意味する、ブランドの真髄を体現したようなジャケットが届いています。



展示会で見かけた時、一目見て、一番の気に入りになりました。羽織った時からこれはもうだめだ、絶対欲しい。ただラインシートを見て、愕然。ブランドの中でも、取り扱い商品の中でもダントツの価格です。
FALMOは始まったばかりの小さな店。私自身、茨城にいたのは高校卒業の18歳まで。そこから進学、就職とずっと茨城から離れている身。水戸でFALMOを開くことにはなったものの、戻ってきたのは13年ぶりです。もちろん前職の顧客様がいるわけではありません。
初めは一旦スルー。しかし、オーダー期限が経つにつれ、ずっと頭の中にあるこのジャケット。思えば見た見かけた瞬間、触った時、着用した時の高揚感、インパクトというかそれが脳裏に刻んでます。
価格を見て一度は諦めようとしたのに、時間が経つほどに欲しくなっていく。服を買い付けていると、こういうことがたまにあります。仕入れは自分の欲しいものだけを選べばいいというものではありません。
店として考えるべきことは、いくらでもあります。ただ、どうしても欲しいと思えるものに出会ったとき、その気持ちまで無視してしまうのは違う気がしました。


今回の26AWで初めて訪れたSARTOの展示会。ラインナップすこいクオリティーの中でしたが、このジャケットを持ってSARTOのパワーというか、ブランドの真髄を見た気がします。
まずメンズではほとんど見ない。ツイードなのですが、今まで見たことがない質感、この配色。
経糸には、
オーガニックコットン2種、
かすり染めシルクスラブ糸、
かすり染めウールループヤーンの4種類を使用。
緯糸には、
上記4種に加えてシルクのカットリリヤーンを加えた 5種類 。
異なる糸、異なる太さ、異なる色が混ざり合い、素材ごとに異なる表情が重なっている。複雑で豊かな生地ですが、それらがひとつの表情としてまとまっている。




実際に店に届き、各所細かなところまで確認しましたが。その他の部位もすごいことに。改めて凄まじいジャケットです。
見返し:WOOL FLANNEL生地
衿裏・ポケット口 , ポケットマチ・シンチバック , カフス裏:0.6mm ゴートスエード
衿・カフス:生地の色合いに合わせて編み上げたオリジナル編み込みテープ
裏地:ツイード 色 ( ARMY ) に呼応するORANGE系のキュプラ
中綿:軽量 30g 中綿を内蔵し、軽さと保温性を両立
袖口カフスにはsomeya jewelryによる “ ピューター(合金) × シトリン ” のオリジナルコンチョを採用。控えめながら確かな存在感を放ち、ジャケットに静かな品格を添えます。












商品説明文の締めには、
多素材が静かに調和する一着。異なる糸、異なる素材、そして時間のかかる製織と手仕事。それらをひとつの表情へと結びつけるように生まれたMIX TWEED ZIP JACKET は、SARTO が大切にする “温度のある上質さ” を纏った象徴的なアイテムです。静けさの奥に豊かな表情が息づく、今季のSARTOを体現するジャケットとなっています。
話は逸れますが、店名について。
FALMOは造語ですが、- feeling and layered minimal objects -から取っています。
一見すると、静かでミニマルな服。
その細部に、縫製、生地、構造、
そしてつくり手の思想が
幾重にも重なっています。
近づき、触れ、気づいた瞬間。
静けさは、確かな存在感に変わる。
その奥行きに触れたときに動くもの。
FALMOが届けたいのは、その体験です。
FALMOとして届けたいもの。そのひとつの答えがこのジャケットにあります。私自身が心から欲しいと思えた一着。展示会で感じた衝撃と、細部まで作り込まれた魅力を、ぜひ実際に手に取って体験していただきたいです。
